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大福帳 いつものこと

どこかで

  • 2008/05/26(月) 09:21:17



どこかで、風が鳴っている。
どこかで、雲が迷っている。
どこかで、雨が泣いている。

いまここには、ぼくがいる。
いまあなたは、どこにいるのだろうか。
いまここには、ぼくだけがいる。

どこかで、朝日が昇ろうとしている。
どこかで、お日さまが立ちすくんでいる。
どこかで、夕日が沈もうとしている。

いまここには、だれがいるのか。
いまここには、ぼく以外にだれがいるのか。
いまここには、だれもいないのか。

どこかで、風は波を送り、
どこかで、雲は日差しを遮り、
どこかで、雨は全てを流し去っていた。

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朝日が満ちる

  • 2008/05/21(水) 07:53:16



朝日が空に満ちる。
五月の空に満ちている。

ぼくは爽快になる。
今朝のぼくはあの日の少年だ。

風ひとつない。
雲もないようだ。

小鳥がさえずり
そして飛び去っていく。

ぼくの視線は小鳥を追い
ぼくの思考は連れ去られていく。

愛する人がそこにいる。
愛する人との時間がそこにある。

きょうこの日が
ささやかな幸福に

きょうこの日が
ささやかな幸福に祝福され

夕日が赤く沈むことを
ぼくは願う。

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あなたはカメです

  • 2008/05/06(火) 08:45:33



もしもしカメです
もしもしあなたはカメです

カメは世間が怖いから
自分がなぜか可愛いから
その首ひっこめます

甲羅の内<なか>へ
その首ひっこめます

灯りもなく
何も聴こえず
世間も見えなければ
手も握れない

真っ暗の甲羅の内
自分だけの世界へ

前にも進めない
後にも復れない

もしもしカメさん
もしもしそこのカメさん

ああこうして
こうして
きょうも暮れて行く
こうして
こうしてきょうも日暮れて

哀しくもありません
笑顔も忘れちゃいました

この甲羅の内が
自分だけの宇宙!
星もなければ
時間もない

ああもう
何でもいいんです
どうせカメですから
臆病な臆病なカメですから

もしもぉし
もしもぉし
モシモーシ
モシモーシ

立ちつくすこともできない
前にも進めない
後にも復れない
立ちつくすことも!

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眠りの前

  • 2008/04/27(日) 09:08:58



今日はいちにちきれいに晴れました
夜は少し肌寒いけれど
それでもとてもいい気持ちです

すごく眠くなってはきます
すごくねむくてとろりとろり
とろりとろりしてきます

明日は雨かしらん
明日は雨なのかしらと
とろりとろり

とろりとろりと
眠りのなかへ
眠りのなかへとつんのめって行きます

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平凡な日常

  • 2008/03/31(月) 20:33:11



私は今、平凡だ。
胸を酸っぱく締めつける感動も
感動感激で、声を詰まらせるような感想も
随分の昔に置き去った。

私は今、とても平凡だ。
日常というものが一定の律動感で支配され
想い思うことも昔の甘美な思い出ばかりなら
人々に言うことも、昔の言葉と言い回しそのものだ。

そして私は今、とにかく平凡だ。
だからなんだろう、とっても日々の経つのが速すぎて
年老いて行く過程が加速度的で
日常と抽象的世界を具体的に浮游している。

だからと言って私はこの平凡さを
とてつもなく不幸だとも思わなければ
あえて甘受しようとも思いはしない
ただこれが日常であり、人生であり、私であり

ただこれが、私の日常であり
ただこれが、私の人生であり
ただこれが、
今の私に過ぎないのか。

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私は生きている

  • 2008/03/24(月) 10:53:46



我々は人間であった。
そして私は人間であった。
それは私の大きな哀しみに相違なかった。
死ぬ以外に私の生はない。
然し私は死ねなかった。
死が怖くて仕方なかった。
皆ないまを精一杯生きている。
そして私も生きている。

人が生きる。
この言葉は私を恐怖の深遠に陥れる。
人が生きる。
地球のありとある所、
人の居る所で、人々夫々の人生を生きる。
私は、今の私の人生しか知り得ない。
他の多くの生きている人々の人生とは、
全くの没交渉なのだ。
それが、哀しくて仕方がない。
彼等は精一杯、力一杯、その日を送っているだろう。
生きるための努力を、毎日行なっているだろう。
それが哀しい。
私は、その恥ずかしさの余り、
私のうちに、無力、無意味生を有すが故に、
彼等の前に在っては、曖昧な笑いしかできず、
心は赤面し、
血は逆流し、
心臓は破裂するに違いない。

彼の地でも、矢張り人は生きている。
何処の地でも、人は生きている。
生きねばならぬと決意し、
誰も彼もが生きている。
運命にもてあそばれ、
僅かな生にすがりつき、
我が身を責めながら、
さまよいさまよい、
生きようとして生きている。
そして私も今生きている。

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おやすみ

  • 2008/03/10(月) 11:28:13



おやすみ、おやすみ、おやすみ。
こよいも、夜はこんにちは。
それなのに、それなのに、それなのに。
こよいも、おやすみのときが来た。
おやすみ、おやすみ、おやすみ。
ひとりねは、きっとさみしいけれど、
こよいも夜はふけたゆえ、
おやすみ、おやすみ、おやすみ。
それでは、ほんとに、ほんとに、おやすみ。

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