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大福帳 1せんちばかりのせんちめんたる

朝つんだ花

  • 2008/07/20(日) 09:44:27



あかい花
きいろい花
しろい花

ひとつひとつ
花つんで
小さな花器に
活けましょうか

あかい花
きいろい花
しろい花

ひとつひとつ
朝つんだ花
母の写真の前に
供えましょう

あかい花
きいろい花
しろい花

ひとつひとつ
つんだ花のいのち
小さな花器に
咲いてます

あかい花
きいろい花
しろい花

ひとつひとつ
朝つんだ花
ひとすじ涙を
誘います

←はげみになります

涙の行方

  • 2008/06/25(水) 13:32:31



声を出して泣いた。
理由はない。
泣きたかっただけだ。

涙のあとを、
涙が追いかける。
限りなく。

今度は、
声を出さずに泣いた。
泣くにまかせて泣いた。

流れる涙は
こころの全てを流し
何も彼も涸れてしまう。

どうすれば、
泣かずにすむのか。
涙を流さずに。

酒を飲む。
あびるほどに飲む。
心をなくすほどに飲む。

それでも、
涙は滂沱と流れ
心は枯渇していくばかりだ。

それはそれで、
いいではないか。
それはそれで。

泣きたいから泣く。
それでいいではないか。
涙はいずれ、

この涙は
いずれ、
海になるのだから。

←はげみになります

この大気に

  • 2008/06/23(月) 10:49:47



静かに息を吸い
時間をかけて
ゆっくりと息を吐く
この大気を通じて
どこかで
だれかとつながっている
世界をひとつに
包み込む
この大気に息をするもの
すべてと
つながっている

←はげみになります

こうして

  • 2008/06/02(月) 15:22:56



一夜一夜
闇を積み重ね
きょうも目覚めます
闇から解き放たれ
自由を得たとしても
それはほんとの自由なのか

一夜一夜
積み重ねた闇の深さは
生きてきた時よりなお深い
この朝の陽光<ひかり>で
その闇を照らすことは
できぬものなのか

一夜一夜
闇をいくら積み重ねても
目覚めの朝には
陽光のなかに紛れ
影さえ残さず
今夜を迎えるだけ

ああ、こうして
一日一日が積み重なり
過去へと流れていくばかり
ああ、こうして
一日一日と陽光は時を追いかけ
暗くなっていくばかり

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あるとまどい

  • 2008/05/27(火) 10:37:20



ぼくは、スリッパだ。
スリッパは、ぼくではないが
ぼくは、スリッパだ。
どうしてそうなのか。
それはわからない。
ふと気付けば、ぼくはスリッパだった。
しかも、トイレの片隅にあるスリッパだった。
だれも使いはしないスリッパだった。
いつからそうなのか。
ぼくがぼくである以前からそうなのか。
ぼくがスリッパであると
自覚したときからそうなのか。
そんなことはどうでもいい。
ぼくはスリッパなのだから
トイレの片隅にあるスリッパなのだから
もう、それでいいのだ。
それが事実なのだから
それで、いいではないか。
ぼくが、スリッパであることが。
スリッパは、ぼくではないけれど
ぼくが、スリッパであることは。

←はげみになります

花一輪

  • 2008/05/23(金) 07:43:42



花が咲いている
白い花が
ただ一輪咲いている

空は五月晴れ
青さがまぶしい
雲は薄く掃いている

凛と真白に
花は一輪
空を見上げて咲いている

いつかは花弁を
土に還す日が
やっては来るだろう

でもいまは
凛々しく可憐に
ただ一輪咲いている

五月晴れの空の下
真白に真直ぐに
咲いている

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