アフィリエイト
大福帳 かたこりめらんこり

風景

  • 2008/06/08(日) 10:49:09



青いような空はやっぱり蒼い
自転車に乗って
田植えの畦道を走る
涙が出てくる
哀しくはないのに涙が出てくる
眩しい空
蒼い空
あの空のどこに
嘘があるのだろうか
私には判らない
どうみたって
青いような空はやっぱり蒼いし
私は
自転車に乗っている

←はげみになります

曇天

  • 2008/06/04(水) 15:00:53



曇天の下
雲の厚みほどに憂鬱が重なる
桜の葉の重なりに
微風が迷い
彷徨う思いは行方も知れぬ

建ち並ぶ家屋
それぞれの家庭には
退屈なドラマと
小さなサスペンスと
ありきたりのミステリの綾織り

交錯しあう路地
いくら歩いても野良犬はいない
走り回る子どもさえも
見かけることはない
水溜りにただ怠惰な雲が映る

こんな日は
どうすればいいのか
行方知れずの心を捜そうか
あの人の後ろ姿を追いかけようか
それとも路地に迷っていようか

曇天の下
雲の厚みほどに憂鬱が重なる
桜の葉の重なりに
微風が迷い
彷徨う思いは行方も知れぬ

←はげみになります

幻想の五月

  • 2008/05/02(金) 10:39:31



ようやくの春を
実感として
とらえ切れないのは
ぼくが鈍感になってしまったからだろうか

嘘のような時間の流れの中で
追い求めた安らぎの季節は
ぼくの指先に確かに在る様だが
空虚ろな指先の感覚だ

あの女<ひと>は
れんげ畑の中を走ってくるはずだったし
あの女を追いかけて
白い蝶々も舞い飛ぶはずだったのに!

幻しの田園風景さえも
ぼくの肉体から
逃げて行ってしまった!

精神的鬱屈を形どったような
ビルディングの群れだけが
それはとても現実的で

ぼくの春は
狂気のような都会の空で
未だに凩に追いかけられているのだろう!

←はげみになります

甘ったれた哀しみ

  • 2008/04/10(木) 08:51:37



甘ったれた哀しみは

みじめすぎるから

甘ったれた哀しみは

音もなく降りしきる雨に

甘ったれた哀しみは

痛いほど痛いほど

甘ったれた哀しみは

切り刻まれ

甘ったれた哀しみは

寸断されるばかり

←はげみになります

雨はしとしと降りまする

  • 2008/03/14(金) 12:00:39



雨はしとしと降りまする。
冬の朝からしとしと降りまする。
木々はまっすぐ耐えていまして、
耐え切れぬときは枯葉ひと葉落しまする。

雨はしとしと降りまする。
冬の朝からしとしと降りまする。
人の行き交いも途絶えがちに、
私の行方もかすむばかりでございまする。

雨はしとしと降りまする。
冬の朝からしとしと降りまする。
小鳥も鳴かず烏さえ飛ばず、
間近く飛行機の爆音だけが響きまする。

雨はしとしと降りまする。
冬の朝からしとしと降りまする。
いつまで降るのだろうかと、
ただぼんやりと思案の揺籃でございまする。

←はげみになります

この道は

  • 2008/02/19(火) 15:43:20



遐い道程<みちのり>も
歩みのあとはかすむばかり
何もかもが霧となって雲となって
目の前には
細い道が続くだけ

気がつけば独り
あれだけ行き交った人々は
何処へ行ったのだろうか
いっしょに歩むには
この道は細すぎるのか

何も悩まない
歩むことこそが
きっと明日につながるのだから
この道が続くかぎり
歩くがいいのだと

朝の陽光<ひかり>はまぶしくて
午下りに流れる雲はあまりに白く
夕陽は朱く空を焼き
煌々と夜空を渡る十五夜は
あすへの時間を捜すばかりだった

←はげみになります

春を待つ

  • 2008/02/04(月) 09:30:01


梢には
ぼくのため息が春を待っていた
春には
新しい希望と愛とがあるから
だから
震えながらも春を待っていた
生きるとは
そういうことなのだろうか

←はげみになります