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大福帳 ennui は 杏仁豆腐

浮気な初夏

  • 2008/07/02(水) 09:55:00



涙のように
ひとり佇んでいると
雑草色した風が
心を奪いに来る
瞳を閉じて
煌めく闇を見つめると
躰がとても軽く
空虚ろになる
初夏の日射しは
浮気に見える

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梅雨の日

  • 2008/06/22(日) 13:52:57



今日の目覚めも少し辛かった。
鬱とうしい季節の朝だ。
音もなく白い糸の雨が降る朝だ。
心は淀んだまま、
曇った空を眺めている。
明日こそはからりと晴れて欲しいと、
祈ってみたくもなる。
夏の匂いがとてもとても恋しくなってくる。
そして、人々のざわめきだけが、
重い圧迫されたような空間を響き渡ってくる。

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朝の風

  • 2008/03/26(水) 08:51:17



雨降りあとの風は
風は懶<ものう>げに
走り抜けていく
急ぎいそぎ
さよなら good-bye と
走りはしり
走り抜けていく

鈍い陽光と
腐蝕した
雲ばかりの空と
雨降りあとの空気とに
さよなら good-bye と
走りはしり
走り抜けていく

風は哀しげに
振り返りもせず
ただ真直ぐ
まっしぐらに
さよなら good-bye と
走りはしり
走り抜けていく

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行き暮れて

  • 2008/03/15(土) 22:24:10



もはや、
行き暮れて、途方に暮れて、逆さ三日月。
立ち停まって、跫音失くして、雲も佇むばかり。

己を問え。
過去を振り切れ。
明日を凝視めろ。

静寂を風が切る。
冷えた夜気を街灯が照らす。
ときたま行き交う人は無言に俯く。

何処へ行けばいいのか。
此処に立ち竦んでいればいいのか。

何も考えるな。
何も悩むな。
何も思い込むな。

月の光はここには届かない。
風が時折遠くの会話を運んでくる。
人は思い思いに息をする。

そして、
行き暮れて、途方に暮れて、逆さ三日月。
立ち停まって、跫音失くして、雲も佇むばかり。

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何となくの薄曇り

  • 2008/02/21(木) 13:43:26



きょうの空は穏やかな薄曇り。
そして、此の2、3日は、
穏やかに何となく生きていた。
此の2、3日だけではない。
毎日毎日、
概ね何となく生きている。
何となく生きると謂う事は、
悪い事ではないだろう。
世を捨てている訳でも、
己を埒外に置いている訳でもない。
何かを為したい、何かを残したい、
と謂う野心もない。
何かを為そう、何かを残そうとすればする程、
軋轢や無理強いや擦り傷が生まれる。
そんな体力も気力もないのだから、
何となくでいい。
今日の此の空の様に、
程よくどんよりと、
何となく生きていたい。

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流れの果て

  • 2008/02/11(月) 13:53:22



枯葉が川面に落ち、緩々と流れて行く。
緩々と流れて行く先は何処か。
ヘドロの沈殿した海へと流れ行くのか。
海に流れ出たとしても、
さらに流れ行くその果ては何処だろうか。
そんな疑問は、勿論、当の枯葉にはない。
ただ確かなことは、
流されての果てに、ただ朽ちるだけのこと。
そういう想いを、緩々と湧出させながら、
川面を凝っと見詰めている自分がいた。
その視線をも、
川は緩々と流して行く許りだった。

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静寂と錯覚

  • 2008/02/05(火) 08:48:21

世の中が静寂であるかのように
錯覚するとき、
総ての関係が
遮断されていることに気付く。

それは、
自らの意思なのか、
流れのままなのか。

そうした思いとは別のところで、
雲間を割って、陽が射し、
大気を縫って、風が木の葉を戦<そよ>がせ、
世の人々は、夫々の生活を勤<いそ>しんでいる。

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