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大福帳 200802

ある冬の日

  • 2008/02/28(木) 14:17:18



青い空に、白い雲が流れるよ。
今にも消えそうな、白い雲が流れるよ。

冬の空は、澄んでいるよ。
風に掃かれて、とっても澄んでいるよ。

あんなに太陽が、きらめいているよ。
風に揺らぎながら、精いっぱいきらめいているよ。

枯葉が、耐え切れず舞い落ちていくね。
きりきりと音もなく、舞い落ちていくね。

冬の空に、透明な風が渡っていくね。
何もかも凛とさせるように、透明な風が渡っていくね。

青い空に、白い雲が流れてきたね。
ふわふわ綿菓子のような、白い雲が流れてきたね。

こうして、今日という冬の一日は、
穏やかそうに、きっと過ぎていくんだよね。

白い雲が、いくつも生まれては流れ行き、
枯葉は、風に誘われて舞い落ちていく、

そんな、今日という冬の一日は、
優しそうに、寒々と過ぎていくんだよね。

青い空は、まぶしく白い雲を見ているばかり。
寒い空は、はかなく枯葉を風に舞わしているばかり。

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青い時の倖せ

  • 2008/02/27(水) 11:48:36



かつて私は佇む思念体だった
いつも佇んでいては
何かを悩もうとし
何かを結論づけようとしていた

流れていれば
思念も流れ
邪念もなく
ただ美しい青春の一日<ひとひ>を
積み重ねられただろうに

私はかつて
ただ佇んでいては
自分自身をただ醜いものであるように極めつけ
その悲観こそが

そう悲観し
黒い底のない渦巻く思念へ
抵抗もなく滑り落ちこんで行くことが

それがひとつの倦怠<けだ>るい快感であり
それが青春と言えば
青春の一日の倖せでもあった

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今日も

  • 2008/02/23(土) 10:22:36



今日も曇っている。
今日も周囲は程々に静かだ。
今日も時間は単調に廻転する。
今日は昨日の続きであり、
今日は明日に繋がり、
今日が重なって日々になる。
日々が連なり人生となり、
日々の連なりが歴史に組み込まれ、
歴史は個々の人生を、個々の今日という日を、
歴史の一語に埋め込み、
個々の生き様を埋没させてしまう。
今日が曇っていようが晴れていようが雨であろうが、
今日をしみじみ生きることこそ人生なのであろか。

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何となくの薄曇り

  • 2008/02/21(木) 13:43:26



きょうの空は穏やかな薄曇り。
そして、此の2、3日は、
穏やかに何となく生きていた。
此の2、3日だけではない。
毎日毎日、
概ね何となく生きている。
何となく生きると謂う事は、
悪い事ではないだろう。
世を捨てている訳でも、
己を埒外に置いている訳でもない。
何かを為したい、何かを残したい、
と謂う野心もない。
何かを為そう、何かを残そうとすればする程、
軋轢や無理強いや擦り傷が生まれる。
そんな体力も気力もないのだから、
何となくでいい。
今日の此の空の様に、
程よくどんよりと、
何となく生きていたい。

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この道は

  • 2008/02/19(火) 15:43:20



遐い道程<みちのり>も
歩みのあとはかすむばかり
何もかもが霧となって雲となって
目の前には
細い道が続くだけ

気がつけば独り
あれだけ行き交った人々は
何処へ行ったのだろうか
いっしょに歩むには
この道は細すぎるのか

何も悩まない
歩むことこそが
きっと明日につながるのだから
この道が続くかぎり
歩くがいいのだと

朝の陽光<ひかり>はまぶしくて
午下りに流れる雲はあまりに白く
夕陽は朱く空を焼き
煌々と夜空を渡る十五夜は
あすへの時間を捜すばかりだった

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好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ

  • 2008/02/17(日) 10:23:37



好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ。
―― 愛してるなんて言わない。

好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ。
―― 愛してるなんて言えない。

好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ。
―― 決して、言わない。

好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ。
―― 決して、言えない。

好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ。
―― 愛してるなんて、恥ずかしくて。

好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ。
―― 愛してるなんて、言えるわけがない。

好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ。
―― 好きだけで、いいじゃないか。

好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ。
―― 好きだけで、それでいいじゃないか。

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晴れた空には

  • 2008/02/16(土) 09:31:43



晴れた空には、希望がある。
ま白い雲には、夢がある。
心地よい風は、未来を運んでくる。

今此処に生きて在る事の不思議な感覚は、
自然と同化しようとする感覚なのか、

それとも人間であることの喜怒哀楽、悲喜交々を、
忘却しようとする潜在的な意識に起因する感覚なのか。

虚無への憧憬の想いが、静謐な波紋となって、
大気に化してゆく事を願っているが故の感覚か。

そうして、晴れた空には希望があり、
かくして、ま白い雲には夢があり、
いつしか、心地よい風は未来を運んでくる。

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誰にも確かなのこと

  • 2008/02/13(水) 16:49:03



日が暮れていく。
闇が薄墨を空に流し込んでいる。
各家に思いおもいに灯が点り、
夜が始まっていく。
いよいよ今日という日が、
終わりに向かい出したのだ。
しかし、明日への期待は
個々の心の在り様に委ねられる。
ただ、誰にも確かなのことは、
明日は亦やって来るという事だけだ。

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流れの果て

  • 2008/02/11(月) 13:53:22



枯葉が川面に落ち、緩々と流れて行く。
緩々と流れて行く先は何処か。
ヘドロの沈殿した海へと流れ行くのか。
海に流れ出たとしても、
さらに流れ行くその果ては何処だろうか。
そんな疑問は、勿論、当の枯葉にはない。
ただ確かなことは、
流されての果てに、ただ朽ちるだけのこと。
そういう想いを、緩々と湧出させながら、
川面を凝っと見詰めている自分がいた。
その視線をも、
川は緩々と流して行く許りだった。

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わがままの歌

  • 2008/02/09(土) 09:15:18

わがまま、わがまま、わがまま
そうさおいらは世間知らずのわがままさ
おいらの心、大事大事のわがままさ
せっかくの人生わがままいっぱい
生きて暮らして、心から人を愛して
わがまま、わがまま、わがまま
何が悪い、幸せになって
何が悪い、自分を愛して
今日を一生懸命の
わがまま、わがまま、わがまま

わがまま、わがまま、わがまま
そうさあんたも世間知らずのわがままさ
あんたの心、大事大事のわがままさ
せっかくの一日わがままいっぱい
傷つけ傷つけられ、それでも夢を見て
わがまま、わがまま、わがまま
何が悪い、幸せ求めて
何が悪い、人を愛して
明日へ一生懸命の
わがまま、わがまま、わがまま

わがまま、わがまま、わがまま
わがままになれない人がいる
わがままがないなんて一体何のための人生だろう
わがままになれない人がいる
わがままがないなんて結局自分がないんだろう
おいらはそんなの耐えられない
おいらはおいらとして生きていくんだ
おいらはおいらの夢と愛とを信じるんだ

わがまま、わがまま、わがまま
そうさおいらは世間知らずのわがままさ
そうさおいらは世間知らずのわがままさ

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哀しいとき

  • 2008/02/08(金) 07:47:43



哀しいときに
この哀しい気持ちを
歌に歌えない

なぜ哀しいのか
分らないから
歌に歌えないのか

哀しいことを感じるのに
しかし
理由<わけ>はいらないだろう

ただ哀しいから
いまは清冽な一条の泪でも
歌にして歌いたい

それが
私のいまの心を偽っていようとも
単なるきやすめ演技のなぐさめであろうとも

私は
哀しい気持ちを歌にして歌いたいのだ
何でもいいから

しかし私は
この哀しい気持ちを歌にして歌えないのだ
いまこのときに

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静寂と錯覚

  • 2008/02/05(火) 08:48:21

世の中が静寂であるかのように
錯覚するとき、
総ての関係が
遮断されていることに気付く。

それは、
自らの意思なのか、
流れのままなのか。

そうした思いとは別のところで、
雲間を割って、陽が射し、
大気を縫って、風が木の葉を戦<そよ>がせ、
世の人々は、夫々の生活を勤<いそ>しんでいる。

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春を待つ

  • 2008/02/04(月) 09:30:01


梢には
ぼくのため息が春を待っていた
春には
新しい希望と愛とがあるから
だから
震えながらも春を待っていた
生きるとは
そういうことなのだろうか

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雪が降っている

  • 2008/02/03(日) 10:59:08



雪が降っている。
何も言わずに、
雪が、降っている。
急ぐように、
追われるように、降っている。

コンクリにあたって、秘密が解ける。
砂場は色を変えていく。
ブランコは、しめやかに濡れながら
幽かに揺れ、
木々は、口を閉ざして凍てつく。

やがて、降り已むだろう雪は、
降り積もることもなく、
無意味に融けてしまうだろう。
そのとき目覚めた人は、
雪の降ったことは、秘密になる。

秘密は、そして、
何も意味を持ちはしない。
融けてしまえば、
土にしみこみ、海に同化し、
空に還るだけ。

雪が降っている。
この冬初めての雪が降っている。
急ぐように、
追われるように、
何も言わずに降っている。

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道頓堀メルヘン

  • 2008/02/02(土) 12:59:58



道頓堀サタデーナイト
戎橋刹那の恋遊び
いいじゃないか
誰に迷惑かけるじゃなし。
いいことあれば、それでいい。
男と女、所詮暇つぶし。
朝が来るまで、朝が来るまで、
他人の顔して
道頓堀メルヘン。

道頓堀サタデーナイト
戎橋一夜の恋探し
いいじゃないか
今を遊んで楽しければ。
時間<とき>を忘れれば、それでいい。
男と女、所詮戯れごと。
朝が来るまで、朝が来るまで、
他人の顔して
道頓堀メルヘン。

道頓堀サタデーナイト
戎橋今夜も恋狂い
いいじゃないか
これしかないの燃えること。
出会って別れて、それでいい。
男と女、所詮飾りあい。
朝が来るまで、朝が来るまで、
他人の顔して
道頓堀メルヘン。

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暗闇の後

  • 2008/02/01(金) 14:57:52



日常生活では、
暗闇の後、
光の世界が規則正しくやってくる。
陽光の下、
人々が往来を行き交い、
人々同士が是非もなく接し会い、
交じり合う。
好悪も喜怒哀歓もそして駆け引きも、
さらには、
欺瞞偽善さえも相伴させながら、
人間関係が交錯しあう。
交錯の隘路に闇が生じ、
孤独は光の僅かの隙に紛れ込んで、
闇を深く広げる。
人間、24時間、
どこかに闇を背負わざるを得ないのだろうか。

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