- | HOME |
確かに平和なひととき
- 2008/05/07(水) 08:31:57

何も考えぬひととき
春らしき日射しのつくる
淡い温かみの内
自己を全て無にして
やさしく揺らぐ時に
無意識に生きて居る
外部世界に
間断無く何かが
起こってあるだろう
生の悲劇あるいは喜劇
思わぬ生のドラマが
到る所に於いて
罪ある人々に
罪ない人々達に
涙や笑いや怒りや喜びや
孤独な思いや悲痛な嘆きや
色々な感情を
押しつけているだろう
しかし今
なんの思考も
肉体に有し得ない
ひとつの世界に生命を
生命だけを正しく生きて居る
そのことは確かに平和だ
何も有し得ないからこそ
平和以上に
平和なのだ
だからこそ幽かに哀しく
微妙に
孤独でもある
だからこそ
白々した
無味乾燥な視界が
ただ無意味に
静謐に
展がって在るだけだ
それでも今は
それでもそれでも
何も考えぬ
平和なひとときを
自己を全て無にして
生きて居ることを
不安ではあっても
どうしても手放せない
どうしても
どうしても
手放せない
心弱い私でも在るのだ
春らしき日射しのつくる
温かみの内
指をひとつひとつ折って
生命の時を
数えて見ようかとも
思っているだけで
ただもう
今はただもう
茫然として居ようと
朦朧とした意識の内で
決心だけが冷めて
在るだけだった
←はげみになります
- | HOME |
