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大福帳 200806

きみといると

  • 2008/06/30(月) 09:04:11



時間が融けていく
きみといると
めくるめく時間は
融けていく
あのひの初恋も
あのひの失恋も
きみの前では
かすかな
思い出になってしまう
きみといると
時間は
めくるめく時間は
融けていくばかり!

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通り雨

  • 2008/06/28(土) 18:54:49



雨が通り過ぎる
水たまりが道を塞ぐ
風が追いかける

とり残された者は
ただひとり
立ち竦む

そうして日は暮れ
なにもかもが
闇に融ける

雨は遠くに降り
風は追いつこともなく
水たまりは罠になる

何も思わない
何も悔いない
何も語らない

そうして日は暮れ
なにもかもが
闇に融ける

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涙の行方

  • 2008/06/25(水) 13:32:31



声を出して泣いた。
理由はない。
泣きたかっただけだ。

涙のあとを、
涙が追いかける。
限りなく。

今度は、
声を出さずに泣いた。
泣くにまかせて泣いた。

流れる涙は
こころの全てを流し
何も彼も涸れてしまう。

どうすれば、
泣かずにすむのか。
涙を流さずに。

酒を飲む。
あびるほどに飲む。
心をなくすほどに飲む。

それでも、
涙は滂沱と流れ
心は枯渇していくばかりだ。

それはそれで、
いいではないか。
それはそれで。

泣きたいから泣く。
それでいいではないか。
涙はいずれ、

この涙は
いずれ、
海になるのだから。

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梅雨の夕

  • 2008/06/24(火) 08:55:57



さやさやと
おとをたてぬように
きづかれぬように

ゆうぐれは
あおいそらのした
しろいくもにのって

さやさやと
さやさやと

梅雨のこともわすれてしまいます
あなたのことも忘れてしまいそうです

なんときもちのよい
こころのおちつく
ひぐれどきか

さやさやと
さやさやと

おとをたてぬように
きづかれぬように
なにかもわすれてしまいそうです

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この大気に

  • 2008/06/23(月) 10:49:47



静かに息を吸い
時間をかけて
ゆっくりと息を吐く
この大気を通じて
どこかで
だれかとつながっている
世界をひとつに
包み込む
この大気に息をするもの
すべてと
つながっている

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梅雨の日

  • 2008/06/22(日) 13:52:57



今日の目覚めも少し辛かった。
鬱とうしい季節の朝だ。
音もなく白い糸の雨が降る朝だ。
心は淀んだまま、
曇った空を眺めている。
明日こそはからりと晴れて欲しいと、
祈ってみたくもなる。
夏の匂いがとてもとても恋しくなってくる。
そして、人々のざわめきだけが、
重い圧迫されたような空間を響き渡ってくる。

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あのひのはつこいは

  • 2008/06/19(木) 10:47:24



あのひ
あのとき
その
ちいさなかたを
ぎこちなく
そして
やさしく
だきよせていれば
はつこいは
完結して
いたのだろうか?

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初恋物語

  • 2008/06/16(月) 22:54:50



初恋が
永久<とわ>の物語になるとき
ぼくは
永遠の恋と
普遍の愛とを
手に入れる
そして
二人だけの世界が
初恋という
思い出の中で
黄金の化石になる

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あじさいの日

  • 2008/06/14(土) 15:29:17



雨の日
紫陽花をみると
あの日
あの雨の日
きみを待っていたこと
思い出す
思い出したとしても
あの日の紫陽花は
もう咲くことは
ないのに

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明日の旅

  • 2008/06/13(金) 08:52:25



明日私は旅に出よう
今日という日の無為の私から

新しい世界を展がらせてくれるような
果てしもない旅へと

何が不安で何が苦悩で何が不幸せで
明日私は旅に出ようとするのか

稜線と水平線を分かつ空
雲や波を追う風

見知らぬ街角に山すその村落
雨を貯める森と路傍に咲く小さな花

忘れ去りたい思い出や
あの娘の黒い眸

今日という日の無為の私から
ひとつの明日への旅に出よう

季節に語り合う小鳥たちや木立の佇み
山深い吐息に遠くの波の囁き

ああ何も彼も
何も彼も今日という日の

今日という日の真新しい過去に
置き去りにしたまま

明日私は
旅に出よう

今日という日の無為の私から
明日こそは

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えっちゃん

  • 2008/06/12(木) 09:04:15



 あの子はどこの子女の子
あの子はとなりの子同い年
 あの子は気になる女の子

whm・・・
 whm・・・
whm・・・

あの子はえっちゃん可愛い子
 とてもとても可愛いな
わけてもあの子の眸<め>は可愛いの

 あの子の笑顔は美しい
無邪気だからとてもとっても美しいんだ
 こころの真白なえっちゃんだから

空はあんなに青いよえっちゃん
 えっちゃん真っ赤なスカート可愛いよ
風は5月白い雲

whm・・・
 whm・・・
whm・・・


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でんぐりがえし

  • 2008/06/11(水) 13:40:51



でんぐりがえし
でんぐりがえし
どこまでいっても
どこまでいってもいっても
でんでんぐりぐり
でんでんぐりぐり

でんぐりがえし
でんぐりがえし
どこまでもどこまでも
どんどんどこまでも
でんでんぐりぐり
でんでんぐりぐり

でんぐりがえし
でんぐりがえし
ゆらゆらふらふら
ふらふらゆらゆらゆらりと
どこのどこまで
いけばいいのだろ

でんぐりがえし
でんぐりがえし
どこのどこまで
どこのどこまでいくのだろ
でんでんぐりぐり
ぐりぐりでんでん

でんぐりがえし
でんぐりがえし
ぐるぐるめがまわる
ぐるぐるっとめがまわる
まわるまわる
ぐるぐるめがまわる

でんぐりがえし
でんぐりがえし
どこまでいっても
いってもいっても
でんでんぐりぐり
でんでんぐりぐり

でんぐりがえし
でんぐりがえし
どこまでいっても
どこまでいっても
どこまでいけば
どこまでいけば

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アンニュイ

  • 2008/06/09(月) 08:50:34



気だるく力も抜けて
外には雨も哀しくひんやりと
しとしととしとしとと
無限の繰り返し
くりかえし

思考も錆びついてしまった
とろりとした呼吸も
肉体をしめつける

中途半端の眠気は
春の午後にさまよい
物憂げの眼差しは
ひらひらとひらひらと
淡白に振り続ける雨を
把えることも出来ずにいて
うつろうつろのうつろだ

一日中ただよっていよう
薄暗闇の部屋の中を

ただ無意味に
哀しい時に
もてあそばれながら

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風景

  • 2008/06/08(日) 10:49:09



青いような空はやっぱり蒼い
自転車に乗って
田植えの畦道を走る
涙が出てくる
哀しくはないのに涙が出てくる
眩しい空
蒼い空
あの空のどこに
嘘があるのだろうか
私には判らない
どうみたって
青いような空はやっぱり蒼いし
私は
自転車に乗っている

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すべてはうたかたに

  • 2008/06/07(土) 10:32:37



悩めば、答えは出るのか。
  苦しめば、倖せになれるのか。

一輪の野の花に、悩みはあるのか。
  湖底に潜む田螺に、苦しみはあるのか。

全てが、神の思し召しであるのなら、
  川の流れるままに、生きてあればいい。

悩むことも、苦しむことも、
  全て、川の泡沫<うたかた>と流し去ればいい。

ああ、せめて名も知れぬ草と風に震えていよう。
  ああ、せめて陽の届かぬ水底で孤独に黙していよう。

悩めば、ほんとうに答えは出るのか。
  苦しめば、ほんとうに倖せになれるのか。

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ちょっとした蹉跌

  • 2008/06/06(金) 08:38:16



跌<つまづ>けば、立ち上がればいい。
怪我を負ったとしても、
無理して立ち上がればいい。

無理して立ち上がり、再び歩けばいい。
次は転んでしまうだろうけど、
いま大事なことは、とにかく立ち上がることだ。

ほんとうにそうか。
ほんとうにそうだろうか。
ほんとうにそうなのか。

夢も希望も、明日という日も、
そんな疑問を覆い隠すように
この道のはるか彼方に霞んでいた。

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25歳の春

  • 2008/06/05(木) 07:44:52



私は現在
随分と生きてきた訳ではありますが
一体
この生はなんだったのでしょう

宇宙の一部も理解し得ず
他人の心の一片にも触れ得ず
それ以上に
私の生命の意味すら未だ納得し得ない私

それでも私は現在
二十五歳の春を見ている訳なのですが
このまま矢張り
いま少し生きて行けばよいのでしょうか

この夏までは
兎にも角にも!

この夏までは
兎にも角にも!

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曇天

  • 2008/06/04(水) 15:00:53



曇天の下
雲の厚みほどに憂鬱が重なる
桜の葉の重なりに
微風が迷い
彷徨う思いは行方も知れぬ

建ち並ぶ家屋
それぞれの家庭には
退屈なドラマと
小さなサスペンスと
ありきたりのミステリの綾織り

交錯しあう路地
いくら歩いても野良犬はいない
走り回る子どもさえも
見かけることはない
水溜りにただ怠惰な雲が映る

こんな日は
どうすればいいのか
行方知れずの心を捜そうか
あの人の後ろ姿を追いかけようか
それとも路地に迷っていようか

曇天の下
雲の厚みほどに憂鬱が重なる
桜の葉の重なりに
微風が迷い
彷徨う思いは行方も知れぬ

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こうして

  • 2008/06/02(月) 15:22:56



一夜一夜
闇を積み重ね
きょうも目覚めます
闇から解き放たれ
自由を得たとしても
それはほんとの自由なのか

一夜一夜
積み重ねた闇の深さは
生きてきた時よりなお深い
この朝の陽光<ひかり>で
その闇を照らすことは
できぬものなのか

一夜一夜
闇をいくら積み重ねても
目覚めの朝には
陽光のなかに紛れ
影さえ残さず
今夜を迎えるだけ

ああ、こうして
一日一日が積み重なり
過去へと流れていくばかり
ああ、こうして
一日一日と陽光は時を追いかけ
暗くなっていくばかり

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