雨の音
- 2008/03/30(日) 14:11:07

心の置き場もない日の
雨の音は
妙にうつろだ
ひとりの心は
水溜りの波紋に彷よい
ひとりの心は
水溜りの波紋に漂よい
雨の音は
妙にうつろだ
あまりにうつろすぎる
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もう、それは。
- 2008/03/16(日) 22:04:22

もう恋の歌は歌えないのか。
もう愛の物語は語れないのか。
日の出があって、日の入りがあって、
その繰り返しが、地球にはあるというのに。
もう恋の歌は歌えないのか。
もう愛の物語は語れないのか。
日の出があって、日の入りがあって、
そして、それは、人生には一度きりに過ぎない。
それなのに、もう恋の歌は歌えないのか。
それなのに、もう愛の物語は語れないのか。
恋より、心昂ぶる歌があるというのか。
愛より、鼓動の高まる物語があるというのか。
それなのに、もう恋の歌は歌えない。
それなのに、もう愛の物語は語れない。
そして、夜は明け、そうして、日は暮れる。
そして、日は沈み始め、そうして、夜陰が訪れる。
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失くすこと
- 2008/03/04(火) 08:36:40

何かを、失くした。
そう思ったとき、
寂寥だけが残っている。
失くすことは、
得ることよりも
大きな事件であることには間違いない。
さればこそ、
失くさないことの気配りこそ、
寂しさから逃れるひとつの手段ではある。
しかし、
それは自己を持つ人間にとって難しく、
寂寥は恒に隣り合わせに在る。
逃れられないのだ。
決して、
逃れられないのだ。
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哀しいとき
- 2008/02/08(金) 07:47:43

哀しいときに
この哀しい気持ちを
歌に歌えない
なぜ哀しいのか
分らないから
歌に歌えないのか
哀しいことを感じるのに
しかし
理由<わけ>はいらないだろう
ただ哀しいから
いまは清冽な一条の泪でも
歌にして歌いたい
それが
私のいまの心を偽っていようとも
単なるきやすめ演技のなぐさめであろうとも
私は
哀しい気持ちを歌にして歌いたいのだ
何でもいいから
しかし私は
この哀しい気持ちを歌にして歌えないのだ
いまこのときに
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雪が降っている
- 2008/02/03(日) 10:59:08

雪が降っている。
何も言わずに、
雪が、降っている。
急ぐように、
追われるように、降っている。
コンクリにあたって、秘密が解ける。
砂場は色を変えていく。
ブランコは、しめやかに濡れながら
幽かに揺れ、
木々は、口を閉ざして凍てつく。
やがて、降り已むだろう雪は、
降り積もることもなく、
無意味に融けてしまうだろう。
そのとき目覚めた人は、
雪の降ったことは、秘密になる。
秘密は、そして、
何も意味を持ちはしない。
融けてしまえば、
土にしみこみ、海に同化し、
空に還るだけ。
雪が降っている。
この冬初めての雪が降っている。
急ぐように、
追われるように、
何も言わずに降っている。
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